この旅最大のハプニングが起きた。
道に迷ったのだ。
朝起きると、宿の主人がボートで志摩の島々を案内してくれた。その後志摩を一望できる展望台にいき、美しい海を眺めるなどした。今日は和歌山まで行けるかと想定していた。
なかなかに良いペースで旅は進んでいた。
さて、太平洋岸自転車道は三重県において山側を通るルートと海側(伊勢志摩側、こちらを通っていた)がある。ちょうどT字路になっており、和歌山側から直進すれば山側、右折すれば海側へと行ける風になっている。
そのT字路の海側からやってきた俺。
信号待ちで見かける、「太平洋岸自転車道」の道しるべ。
疲れで困憊している脳。
間違えないはずもなく...
こうしていーじすは逆走を始めた。
異変に気がついたのは2つ山を超えてからだった。
何かおかしい。
川の流れが、左から右へと流れている。
その勘を頼りに、GoogleMapを見ると、嫌な予感はあたっていた。
残るのは絶望である。
ここから海側へ戻るには2つの選択肢があった。
1つは来た道を戻るルート。これは山2つ超える。
2つ目は海側へ出るルート。これは超える山は1つだが、険しい道だと予想される。
迷った末、宿を取る都合上、海側へ出るルートを取った。実は気づいた時点で15時近くなっており、下手をすると紀伊の山道で夜な夜な漕ぎ続けることになる。
それだけは避けたいと思い、2つ目の選択、険道を通ることにした。
最初は普通の山道だった。
次第に道幅が狭くなり、最後はもはや落ち葉や土砂が堆積し砂利道の様相を呈していた。タイヤはそれほどグリップ賀あるものではなく、舗装路専用のものなのでよく空転した。
四苦八苦してるうちに霧が立ち込めてきた。
すると、鹿が飛び出してきた。
最初は、幻覚かと思ったが、どうやら本物らしい。すぐにこちらに気づいて、逃げてしまった。
そうこうしながら、頂上につき、一番怖い下り坂に入った。
慎重にブレーキを効かせつつ、速度が出ないように最新の注意を払った。
見覚えのある道に出たことによって、なんとかトラブルを対処できた。
宿屋と飯屋が同じところにあるタイプだったので、飯を3人前ほど頼み、朝までぐっすり寝こけたのであった。
次回 温泉