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ガイアの箱庭

やぁみんな

最近暑さで肉体と精神が液状化しつつあるマーズだよ。

地球温暖化ってやつかね?地球人の皆が石油燃やして

二酸化炭素やらなんやら出しまくるもんだから地球がアッツアツらしいね。

でも石油なくなったら人類文明崩壊するから止められないねコレ。

80億人に膨れ上がった人口を支えるのは大変だぁ…

そんな感じで絶賛人口爆発中の人類にお知らせ。


2020年、人工物の質量が生物量の質量を上回ったそう。


え?2、3年前のニュースじゃないかって?

えぇそうです実はまぁまぁ昔のニュースなんですゴメンネ。

個人的には興味深かったのでせっかくだから紹介させてもらうぜ。


このニュースは科学雑誌『nature』である研究の内容が掲載されたのが始まり。

イスラエルのワイツマン科学研究所に所属するロン・ミロさんが

チームを作って人工物と生物量それぞれの乾燥重量を調査・比較した結果

「人の作ったもの全部の重さが、自然界の生き物全部の重さを少し上回った」

というデータを導くことに成功したそうな。


ここでちょいと単語の説明。

この人工物…厳密には「人為起源物質」と呼ばれるものは

人間が作り出した本来自然界に存在しない物質全部の事をさす。

具体的には鉄筋コンクリートやレンガといった

人間の町や都市を作るのに必要な建築資材がこれにあたる。

人類起源物質の質量の大半が、おそらくこれら建築資材だろうね。


もう一つの生物量は生物の体重やエネルギー量の事を指すらしい。

ここでは体重の方を扱っていて、生物量の中には人間や動物や植物

さらには地下深くに存在するあらゆる微生物を含めているらしい。

文字通り地球にいる生き物すべての体重を計算に入れたわけだ。


最後に乾燥重量はある物質から水分…つまり液体としての水を全部引っこ抜いた時の

からっからの状態の時の重量を指すみたい。

つまりこの人工物と生物量の重量の比較において

両方から水分を引っこ抜いたうえで重量を比べたということになる。


さて。

ここで一度地球で最も生物量の大きい生き物を見てみよう。


全生物の中で生物量が最も大きいのは『植物』。

地球のありとあらゆる生き物が生きるのに必要な酸素を作ってくれるあの植物だ。

一説では植物はかつて2兆トンも地球上にあったが人類文明の繁栄により

今では1兆トンにまで減ったらしい。マジで???

ただそれでも地球上の全生物量(総質量=体重=重量)の80%を占めてるので

どのみちまだまだ多い。

(この植物の生物量1兆トンは水分も含めた質量だと思う。乾燥重量は半分の5000億トンぐらい。多分。)

(ちなみにその次に細菌や菌類、その他微生物が並んで最後にようやく人を含めた動物が並ぶ。)

(しかも動物の生物量の大半が虫やカニ・エビと魚なんだって。)


とりあえず地球上の生物量の総量は大体1兆トンちょっとということでいいらしい。

人類が作り出した都市や町、インフラそしてそれらに含まれる建築資材などの

人工物はそれをちょっと上回るくらいなので…こちらも1兆トンということになる。


人類文明が質量の面で自然の全生命を超えた。

ロン・ミロさんの研究が正しければ、2020年はある種の時代の転換点になっていたわけだ。


20世紀初頭の人工物の重量は当時の生物量の3%ぐらいで

そこからたった100年ちょっとでここまで来てしまったとのこと。

多分蒸気機関の登場をはじめとした産業革命の影響で人類が繁栄。

そして爆発的に増えた人口を支えるために都市を立てまくった結果だろうね。

このペースで人工物が増えまくると、数十年としないうちに人工物が2兆トン、3兆トンへと増えてくらしい。

うーん、増えすぎ!


人類はあまりに増えすぎた。

現代文明を支えるには経済活動が必要だけど

度が過ぎると全生態系の基盤である植物を破壊しすぎる。

でもだからといって文明を退行させるわけにはいかない。

それで人々が餓死でもしたら問題だし…


今の人類に地球は狭すぎるのかもしれない。

どうしたもんか…