朝起きたら、午前4時だった。やはりネカフェでは疲れが取り切れないなとぼやき、漫画を手に取る。呪術廻戦のアニメを見終わったあとで、続きが気になっていたところだった。読んでいるとあっという間に10分がたち、30分がたった頃、漫画沼から抜け出せた。
諸々準備していたら、結局出発は5時になった。昨日は9時にチェックインしたため8時間パックが適用され、コストを抑えて一晩しのげた。
小田原城を横目に小田原市街を抜けていくと、分岐点があった。伊豆方面に行く道と、箱根へと続く道だ。今回は伊豆半島も回りたいので、もちろん伊豆方面の道を選ぶ。
走っていると海が見えた。今日は雲が多く、青空があまり見えない。そのため、海の表情も曇りで、あまり気分が乗らない一日になりそうだった。
熱海まではあまり時間がかからなかった。アップダウンもあったが、坂の勾配はそこまでじゃなく、下り坂で休憩もできたので苦ではなかった。
下田は気がついたらついてた。本当に同じような風景で特筆することがなかった。車通りが少なかったぐらいだろうか。予定では下田で1泊するつもりだったが、前に行けるに越したことはないので、進むことにした。下田バーガーは、美味だった。
ここからが、地獄だった。
伊豆の東側と西側では表情がかなり違った。東側はいうなればまだ人の気配がする街だとする。西側は手つかずの自然に道が通っている、そんなイメージだった。つまり、お腹が減っても補給ができず、トイレに行きたくとも場所がない。おまけに雨も降る始末。トドメには東側と比べ物にならない坂の連続。結構きつかった。
さて、そんな伊豆半島を1日で回ろうとしたバカは、日没2時間前になって宿を探していた。西側の限界集落よりも人がいないところでは、もちろん宿もない。探していくうちに沼津市に入ったところに「戸田」という漁村があった。そこにあるゲストハウス(シェアルームのような場所)に空き状況を確認すると、予約は入ってないとのことだった。貸切状態で、しかも選択肢が他にない俺は、迷わずB○oking.comで予約した。不思議なことに、ゴール地が決まると疲労を忘れた。
途中に足湯があった。疲労困憊の足には、まるで足が温泉に溶け出すように感じた。座っているおしりから根が生えたような気分で、動き出すのが億劫で億劫で仕方なかった。
ちょうど、着いたのは日没間近だった。漁村を照らす日没の日はとてもきれいで、つい感動してしまった。雨もふり愛車も自分も泥んこで、着いた矢先に道の駅にあった温泉に入りにいった。この温泉で案内してあげた外人に宿屋で会うとは、思いもしなかったが。
その日はゆっくり晩飯をとり、睡魔にされるがままになった。
次回、「寝坊」デュエルスタンバイ!!!