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徒然思考Part1


 

 こんばんは。アルテミスです。

 今日も今日とて毒にも薬にもならぬような事を書き連ねていきたいと思います。

 

 このブログを読む人なんぞいないのが前提なので、自分の思考の備忘録のようなものです。数年後に見返したときに「この時は考えが甘いな」と思えれば成長の証なので今思いつく全てで書いていきます。

 

 今回から暫く、政治関連でブログを書いていこうと思います。将来いつか書籍でも書くときの下地になればいいなーくらいの思いで書くつもりです。

 

 政治に触れる理由はただ一つで、これをいつかどこかで読んだ人に、考えるきっかけを与えたいと思うからです。

 

 若い世代の投票率を上げないと、と考えているわけでは無いですが、折角民主主義を奉じる日本であまりに投票率が低いのも考えものですし、投票するならしっかり考えてどこが良いか自分なりの価値基準を持って入れてほしい、と考えています。

 

 その目的のために書くので、特定の価値観を称賛したり貶めたりするためのものではありません。むしろどの選択にもそれぞれメリットデメリットはあって、その中で自分で最善と思える選択をして欲しいと考えています。

 

 政治について取り扱う学問が政治学です。これの目指すところは結局「どのような政治が最も良いか」に尽きると考えています。

 

 勿論「政治」も「良い」もその定義は人それぞれですので、それがために人類は何千年も戦争を続けてきた訳です。

 

 政治とは何なのか、良い政治とは何なのか。突き詰めればそれは人の幸福とは何なのか、何が正しいのか、という人間学や宗教学にも繋がるような問いになります。

 

 但しそこまで深掘ると恐らく九割九部の人を置いていく事になるので、今回は「政治とは」「良い政治とは」に焦点を当てて解き明かしていきましょう。

 

 当たり前の話ですが、人間は一人だけで生きていくことはできません。親から生まれて養育され、次の世代を産み育てるというサイクルを他の有性生殖生物同様に行っています。

 

 語弊を全く恐れず極言するなら、このサイクルの遂行率を極限まで上げるために人類は文明を作ったと言えるでしょう。狩猟採集生活において集団で協力し、また分業した方が種の生存確率は上昇する事は説明を要しないでしょう。

 

 集団を組む以上、集団にはルールとリーダーが必要になります。集団にルールが無ければ、食べ物(=資源)を実力で奪い合うしか生存ができなくなり、リーダーがいなければそのルールを守らせる事もできません。

 

 即ち国家とは、人間が生きるために必要な資源(ヒト、モノ、カネ、土地etc...)の配分を行うための集団で、資源の配分を行うためのルールを決めて守らせる事が統治の目的となります。


企業統治と言う言葉もありますが、国家を企業に置き換えても意味合いとして間違いではないのではないでしょうか。

 

 ここで統治という言葉が出てきましたが、混同されがちなのでここで定義します(人によっては当然定義が変わることもありますので、あくまでアルテミスなりの定義と思ってください)。

 

 統治とは国家のリーダーが国や国民を導く事、政治とはそれを含んだ、国の舵取りを最適化するための行いの総称、と言えるでしょう。

 

 具体的に言うと首相や大統領が色々命令を出して国の舵取りを行う事を統治、政治とは王様に大臣、官僚や議員、その他ありとあらゆる国に関わるアクターが(それぞれ自分なりに)統治を最適化しようとする試みの事を言います。

 

 統治は究極には国のリーダーだけがやるもの、政治はもっと多くの人が関わるもの。まずはこう覚えて頂いて結構です。ここから先は「統治」「政治」を意図的に使い分けていきます。

 

 さて、政治と聞いて真っ先に思い浮かぶのは首相や大統領、王様と言った国のトップでしょう。イメージとしてはリーダーが指示を出すものであって、そのやり方を考えるのが政治学、と思うかもしれません。

 

 しかしそれなら統治学と言うべきですよね。何故政治学と言うのでしょうか。

 

 実際に国のリーダーが全て思い通りに物事を進めることなどほぼ不可能だからです。例え絶対王政の王様でも、自分のやりたい事だけやろうとすれば大臣や貴族から反対されるし、そこで押し通せば見放されます。当たり前ですが王様がやりたい事が何もかも上は公爵から下は奴隷に至るまで等しく賛成なんて事有り得ませんから、結局色々な人間の思惑があって、その中で議論、交渉、妥協、時には争いがあるのです。

 

 これこそまさしく「政治」なのです。王様のやりたい事が常に皆にとってやりたいことではない。皆それぞれ自分のやりたい事があって、統治者に実行してもらおうとする。そのための行いを政治と言い、この行いを最も良い形で行おうと考えるのが政治学なのです。

 

 纏めると、統治とは統治者が国の資源の配分を行う行為、政治とは多様なアクターがその配分を自分にとって有利になるように行う試みの総称と言うことになります。

 

 勿論「政治」の中には統治も含まれていますから、「最も良い形で資源が配分されるにはどうすれば良いんだろう」を解き明かすのが政治学と言う事になります。

 

 今回はここまで。次回はこの「良い形」とは何かを考えていきます。それではまた、次の公演で。